たけのこらむ~管理栄養士から見た本当の栄養学~

テレビだけでなくいろいろなメディアを通して様々な情報があふれている昨今、健康についても例外ではありません。時代の流れを考えフリーランスへ転身した男性管理栄養士の目線で書く騙されない本当の栄養学をコラム形式で紹介していきます。

【飲む】 甘酒のおいしい話 【点滴】

ちゃす、愛犬の散歩コースにある自販機に売っている甘酒を見ると、冬になったな~って気持ちになる、たけのこです。

 

てなわけで、今日は飲む点滴とも言われている甘酒について書いていこうと思います。

 甘酒

  1. 甘酒とは?
  2. 甘酒のここがすごい

 

1.甘酒とは?

 

一度は口にしたことがある方も多いと思うのですが、そもそも甘酒とはどういうものなのか、皆さんはご存知ですか?

元は神事のときの供物として作られてきた甘酒なのですが、江戸時代からは庶民の手軽な栄養源として、夏には冷やして飲まれていたみたいで、俳句では夏の季語らしいです!!

寒い時に飲むイメージが強い今では驚きですよね!!


甘酒には大きく分けて2種類あります。

 

1つは酒かすをつかったもの。
日本酒を作るときに出る酒かすを水に溶かして砂糖を加えて煮込んで作るもので、酒かすに含まれているアルコールは煮込む過程でほとんど飛びますが、微量のアルコールが残っている可能性もあるため、アルコールに弱い人やこどもに飲ませるときには注意が必要です。

 

もう1つはを使ったもの。

米麹と米・水を混ぜ、55度~60度ほどの温度で数時間かけて発酵させるもので、ノンアルコールなので、アルコールに弱い人やこどもも安心です。基本的に砂糖を使用しないため、麹のやさしい甘さが特徴です。アルコールが含まれていないので誰でも安心して飲むことができます。


「飲む点滴」とよばれるように、点滴と同じような栄養素を含む甘酒は、後者の麹を使って発酵させるタイプの甘酒なので購入する際は注意が必要です!

 

2.甘酒のここがすごい

 

甘酒の栄養成分は、ほぼ20%がブドウ糖で、ビタミンB群や食物繊維、腸内細菌のエサにもなるオリゴ糖が大半を占めており。それ以外にも、麹菌が米とともに発酵することで生成する酵素には、アミラーゼ、プロテアーゼ、リパーゼ、ペクチナーゼなどその数は30種類以上ともいわれ、それらの酵素が甘酒に含まれており、でんぷんをブドウ糖に、たんぱく質アミノ酸に、脂肪を脂肪酸グリセリンへと、効率的に分解して消化・吸収を助ける役割や、吸収された栄養分を効率よくエネルギーに変える働きまであります。


ビタミンB群には、糖質・脂質・たんぱく質代謝や肌・髪の健康にかかわる効果のあるビタミンのため、効率的なエネルギー代謝による疲労回復美容効果が期待できます。


食物繊維とオリゴ糖がセットで含まれているため、便秘で悩まれている方にも適した飲み物だといえます。

 

夏でも冬でもおいしい甘酒をぜひ、師走の疲れた体に入れて元気いっぱい2019年を駆け抜けましょう!!