たけのこらむ~管理栄養士から見た本当の栄養学~

テレビだけでなくいろいろなメディアを通して様々な情報があふれている昨今、健康についても例外ではありません。時代の流れを考えフリーランスへ転身した男性管理栄養士の目線で書く騙されない本当の栄養学をコラム形式で紹介していきます。

【栄養学の始まり】 ビタミンの日 【ビタミンB1】

ちゃす、たけのこです。
今日は12月13日、ビタミンの日ということでビタミンB1について書いていこうと思います。

その前に、なぜ12月13日がビタミンの日なのか?

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1910年の12月13日、オリザニン(現在のビタミンB1)を鈴木梅太郎博士が世界で初めてビタミンB1の抽出に成功し、学会で発表したことにちなんで制定されました。しかし、日本語での発表だったため世界中に広まることはなく、その二年後にポーランドの生化学者によって改めて発見されビタミンと名づけられました。

こういう話を聞くと日本の栄養学研究って世界と比較しても進んでいたことが分かりますよね。

ビタミンB1について

主な効能

食事から摂取した炭水化物が、体内でエネルギーとして利用される際に解糖系にて、補酵素としてかかわる重要な栄養素の一つ。中枢神経や末梢神経の働きにも関与し、皮膚や粘膜を正常に保つ働きもあります。ビタミン類は基本的に体内では作られず体外からの摂取が必要ですが、特にビタミンB1が不足すると、全身のエネルギー代謝がうまく行かないために疲労感が残りやすくなってしまいます。
アルコールを飲みすぎて疲労感を感じるのは、アルコールを代謝するのにビタミンB1を使いすぎてしまい枯渇してしまうからなんです。

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ビタミンB1を多く含む食品

僕たちがよく口にするご飯や豚肉などに多く含まれているため、脚気が流行していた昔のように不測のリスクは日本ではほとんどないと言われていますが、過剰な糖質やアルコールの摂取により不足も十分考えられるため、お酒を飲むときには枝豆を一緒に食べるなどの工夫をしてみてはいかがでしょうか?

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最後にトリビアを一つ

江戸時代、ビタミンB1を多く含む、玄米や麦飯を主食としていた一般人は脚気になることはほとんどなかったのですが、海軍の方々は特権として白米を食べることができました。軍医の高木兼寛(現 東京慈恵会医科大学の創設者)は、カレーを食べることで脚気を防ぐことを提唱、そして浸透し、横須賀海軍カレーが誕生しました。

まだ、食事で病気を防いだり治療する考えがなく、栄養学どころかビタミンを発見する前の話なのが驚きですよね。